Le monde de la musique の欧州オーケストラ・ランキング
2006/10/14 00:00
 おかか1968ダイアリーに、朝日新聞から転載した欧州オケ・ランキングが出ている。これは元々、彼も推察するとおり、Le monde de la musique(たまにCDに貼ってあるCHOCシールの元締め)の企画である。それにしてもこれを「ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュージック」とやらず「音楽の世界」と訳すのは初めて見た。なかなか新鮮(笑)

 さてその企画が出ている号、実は友人が土産に持って来てくれて手元にあったりする。あっちにコメントしようかとも思ったんだけれど、少々長いので、ここで補完。

 このランキングは、欧州各地の雑誌編集長およびラジオの編成担当、あわせて10人に10位までの順位表を出してもらって、上から順に10点、9点、、、といった具合にポイントを振って集計したものである。
 つまり、このランキングはサンプルが少なすぎて統計学上まったく意味を為さない、ということをまず確認しておかねばならない。せめて各誌の抱える評論家連中を総動員してベスト20を募集し、その結果集計でベスト10を出したならばまだしも論じるに値するものになったかもしれんが、こんなんでは何の意味もありゃせんがな。企画の杜撰さに呆れ果てたので、実はヘッドライン以外は今さっき読んだばかりである(苦笑)
 この集計に関して文章書いてるオリヴィエ・ベラミの文章も、それだけに牽強付会に近くて、いつも以上に内容が薄い。彼の記事は「ベルリンは負けたがドイツは勝った」という一文に要約できてしまう。オイオイ。
 というわけで前置きが長くなったが、以下が10人それぞれのランキング。個人名はカットし、媒体名だけ。

クレッシェンド(ベルギー)
1位 ウィーン・フィル
2位 ベルリン・フィル
3位 シュターツカペレ・ドレスデン
4位 ロンドン交響楽団
5位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
6位 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
7位 バイエルン放送響
8位 ロンドン・フィル
9位 チェコ・フィル
10位 NDR北ドイツ放響

フォノ・フォーラム(ドイツ)
1位 ベルリン・フィル
2位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
3位 ウィーン・フィル
4位 バンベルク交響楽団
5位 SWRシュトゥットガルト
6位 ロンドン交響楽団
7位 SWRバーデンバーデン&フライブルク
8位 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
9位 ミュンヘン交響楽団
10位 ドレスデン・シュターツカペレ

グラモフォン(イギリス)
1位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
2位 ベルリン・フィル
3位 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
4位 ウィーン・フィル
5位 ロンドン交響楽団
6位 ブダペスト祝祭管
7位 ドレスデン・シュターツカペレ
8位 バイエルン放送響
9位 ロンドン・フィル
10位 ベルリン・シュターツカペレ

MDR=フィガロ(ドイツのラジオ)
1位 ウィーン・フィル
2位 ベルリン・フィル
3位 チェコ・フィル
4位 ドレスデン・シュターツカペレ
5位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
6位 サンクトペテルブルク・フィル
7位 ロンドン交響楽団
8位 バイエルン放送響
9位 チューリッヒ・トーンハレ管
10位 フランクフルト放送響

ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュージック(フランス)
1位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
2位 バイエルン放送響
3位 ウィーン・フィル
4位 ベルリン・フィル
5位 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
6位 ロンドン交響楽団
7位 ドレスデン・シュターツカペレ
8位 サンクトペテルブルク・フィル
9位 フランス国立管
10位 トゥールーズ・キャピトル国立管

ムジカ(イタリア)
1位 ベルリン・フィル
2位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
3位 バイエルン放送響
4位 ロンドン交響楽団
5位 サンクトペテルブルク・フィル
6位 ウィーン・フィル
7位 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
8位 ドレスデン・シュターツカペレ
9位 ロンドン・フィル
10位 オスロ・フィル

ピツィカート(ルクセンブルク)
1位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
2位 ウィーン・フィル
3位 ドレスデン・シュターツカペレ
4位 サンクトペテルスブルク・フィル
5位 ロンドン交響楽団
6位 フィルハーモニア
7位 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
8位 ベルリン・フィル
9位 バイエルン放送響
10 ミュンヘン交響楽団

ラジオ・クラシック(フランスのラジオ)
1位 ウィーン・フィル
2位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
3位 バイエルン放送響
4位 ドレスデン・シュターツカペレ
5位 ベルリン・フィル
6位 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
7位 ロンドン交響楽団
8位 ブダペスト祝祭管
9位 パリ管
10位 バンベルク交響楽団

スケルツォ(スペイン)
1位 ベルリン・フィル
2位 ウィーン・フィル
3位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
4位 ロンドン交響楽団
5位 ドレスデン・シュターツカペレ
6位 バイエルン放送響
7位 フィルハーモニア
8位 ミュンヘン交響楽団
9位 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
10位 サンクトペテルブルク・フィル

トリビューン・ジュネーヴ(スイスの日刊紙)
1位 ウィーン・フィル
2位 サンクトペテルブルク・フィル
3位 アムステルダム・コンセルトヘボウ
4位 NDR北ドイツ放響
5位 ベルリン・フィル
6位 バイエルン放送響
7位 ロンドン交響楽団
8位 ヘルシンキ・フィル
9位 チェコ・フィル
10位 オスロ・フィル

 いやー、つまらん! どいつもこいつもつまらん!!(大滝秀治風に)。だけどまあ、ベスト10企画なんていうものは、よほど穿ったチョイスを狙わない限り、いずれこういうもんになっちまうのが宿命でありますな。

 ざっと見渡すと、BPOが総合3位に沈んだのは、ルクセンブルクとフランス、スイスの連中の評点が辛いせいであることがわかる。3国の地理的・歴史的位置をどう見るべきか、、、って3人しかいないのでどうしょもないが(爆)。
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甲子園にモノ申す
2006/08/24 00:00
 今夏は久しぶりに甲子園をちょくちょく見た。駒大苫小牧の誇る「北の怪物」(というか、マジメな時の顔は大仏だなあ)田中と大阪桐蔭のスーパー2年生中田見たさゆえのことから始まったのだけれど、こんなに見たのは松坂イヤーの98年以来のこと。

 とはいえ、クソ暑い真夏の炎天下で無謀に近い連戦を強いる甲子園というシステム自体は、子供の頃から嫌いだった。今年はその意味で、松坂イヤーにも増して、改めて甲子園の理不尽を痛感させる大会だった。体調不良を押して投げ続けた駒大苫小牧の田中も大概だが、早実・斎藤の酷使ぶりは目を覆うばかりのものがあった。松坂は250球を投じたPLとの伝説的死闘に続く明徳義塾との準決勝は外野スタート、9回にリリーフしただけだったからまだマシだったと思えるほど。斎藤は延長戦となった日大三高との西東京大会決勝からして、投球数ぬわんと221(!)。甲子園でも結局すべてのアウトカウントは彼が取ったわけで、実質的に全試合で完投、甲子園のみの総投球数は実に1000近く。ブラウンが来る以前の前時代的な広島キャンプですらこんなに投げさせんわ。しかも金属バットで打球が速く、ボールが飛ぶせいかHR連発の大会とあって、投手の負担はただでさえ並大抵ではない。その中でのこの投球数は、はっきり自殺行為以外の何物でもあるまいよ。それに対し、マスコミは一様に斎藤と早実ナインの奮闘を讃えるのみ。主催者たる朝日新聞はじめ、真夏の炎天下に高校生を晒し続け、野球を職業としている人々ですら決してすることのない投球数を強いる、この常軌を逸したシステムに苦言を呈す声がほとんど聞こえてこない。

 そもそも高校野球なんてのは高校の部活動の延長線上に過ぎない。それをメディアイヴェントとしてクローズアップし、人体生理学的に見て自殺行為に近い行為の後押しをしてきたこと自体に大きな問題があるのは、火を見るよりも明らかなこと。なにせ、一番大切なのは出場する選手たちの躯と健康である、という当たり前の大前提が甲子園には欠落しており、あるのは運営側の論理ばかり。その手前勝手なシステムに高校生たちを巻き込む構図は、パイロット一人を養成するのにどれだけのカネと手間がかかるかを全く考慮に入れない特攻と、無駄死に過ぎない玉砕とを無理強いした軍国主義の双子。斎藤や田中の奮戦ぶりを賞賛するに吝かではないけれど、そうした場で生み出されたドラマを端から感動物語に仕上げて称揚する構図にもまた、おぞましいものが潜んでいやしないか?

 現状では勝ち抜いてゆく高校の主戦級投手に人間の能力の限界を遙かに超えた負荷がかかるが、負担軽減はやろうと思えば出来ることだ。まず第一に、試合間隔を開けること。選手や応援団の滞在費が苦しくて無理と言うなら、大阪と神戸はじめとする周辺球場を併用し、試合消化を大幅に早め、休養日を設ければ済むことだ。ウィンブルドンのセンターコートと同じで、準決勝以上は洩れなく甲子園、という具合にすれば、タイガースが死のロードで毎年苦労することもあるまいよ。

 そしてまた、決勝再試合で斎藤を先発させることを躊躇ったものの結局のところ先発・完投させた早実の監督と、疲労を否定した本人のコメントとが示しているように、監督および選手の自制心にはまるで期待できないのだから、WBCのように、ルールとしての球数制限を導入するべきだ。高校野球は、まるで金田、稲尾や杉浦、権藤の時代のまま、奇跡の4連投だの権藤権藤雨権藤な時代が未だに続いている度し難いアナクロ。骨格が発達中の高校生には1試合あたり100球でも多いのではなかろうか? 球数制限すれば投手の数が足りない、と言うのなら、いっそ都道府県大会までを各高校単位での試合とし、甲子園は各ブロックで優秀な成績を収めた選手たちで構成される選抜チームの大会にしちゃえばいい。そうすればプロ野球並の継投による分業制も可能になるだろう。わざわざ高校単位で全国大会を争うことには、高校の生徒獲得を目的とした宣伝以外、なんら合理的理由はないのだから。

 それもこれも、選手たちの可能性を一夏で潰し、その後の人生を踏みにじる愚をもう繰り返さないためだ。高校生離れしたインサイドワークを中心としたクレバーな投球術とそれを支える制球力に頭抜けたものがあった斎藤、あるいは本調子とは程遠いながらも、いかにもプロ向きなメンタルの図太さと切れ味鋭いスライダーを誇った田中の野球人生が、甲子園での酷使が原因で一時の輝きに終わってしまうようなことがあれば、これは彼らのためにもならないどころか、日本野球界の大損失だ。今や日本球界を代表する大エースに成長した松坂のような桁外れの化け物ならば別かもしれないが、誰もが松坂並の人間離れした頑丈さを持っているという保証なぞない(松坂ですら、プロ入り時にはその将来を危ぶむ声は多くあった)し、松坂とて今後勤続疲労に襲われる可能性を否定はできない。となれば悲劇を招く可能性を摘み取るべく抜かりなく手を打つこと、これが「大人」で構成された大会運営者たちに第一に求められることではないのか?

 なにせ改めて振り返るまでもなく、甲子園はウンザリするほど過ちを積み重ねて来た。その典型例の一人が、リトルで世界大会まで行って投げまくり、高校でも1年からエースを張って、相次ぐ無茶投げの挙げ句にプロ入りし、結局は故障連発でさしたる成績を挙げられないまま選手生命を終えた斎藤の先輩、荒木大輔。そして荒木を斎藤と重ね合わせると余計に暗澹たる気分になる。下のグラスの本ではないけれど、早実関係者も甲子園の運営者も、誰一人として先人の苦い轍から学ぼうとはしていない。投げすぎでキャリアを縮めた荒木は決勝再試合の前に斎藤の躯を気遣い、「出来れば雨が降ってくれれば」とコメントしたが、これは故障との果てしない闘いだった現役時代を過ごした彼の言葉ゆえの重さがある。

 甲子園の問題は他にもいろいろとあろう。時代遅れな高校生観や坊主頭の強要、アマチュアリズムやスポーツマンシップの取り違え(たとえば秋田大会準決勝の秋田×本荘戦。この試合にはサスペンデッドの珍妙なルールも絡んでいる)、理不尽極まりない連帯責任の思想と、それによって影で頻発する心ない密告等々。このあたりは今後の課題としても、高校生たちの躯を気遣う発想は、もう待ったなしで早急に導入すべき事項だ。教育を云々する主催者と高野連は、大きな才能の一時的な輝きを一時の慰みものにして食い潰そうとするのではなく、彼らに群がる連中から選手たちを全力を賭して護り、その可能性を実感させ、自らの才能を更に大きく育てる道筋を示してやることにこそ意を砕くべきだ。

テーマ:高校野球 - ジャンル:スポーツ

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グラスの告白
2006/08/16 00:00
 パフォーマンス好きのどっかの誰かは筋書き通りでしかなかったが、ギュンター・グラスが武装親衛隊だったことを告白した、というニュースにはエラく驚かされた。文学者や哲学者とナチズムといえば、ハイデッガーのナチ荷担が明らかになるにつれて珍妙な擁護論をあちこちにばらまかれるキッカケとなった騒ぎが最も有名だろうが、メールマンの「巨匠たちの聖痕」におけるブランショ論がデリダやレヴィナスを沈黙させ、そのデリダがド・マンを擁護して、などなど、似たような事件は数多い。だがよりにもよってグラスか、、、。とはいえ、そもそも反ナチ色の強いノーベル文学賞受賞者だけに返還論を唱える人もいるようだが、こういう短絡的な反応はさしあたりどうでもよいことだ。

 この「告白」は新刊の自伝の中に詳細が書かれているようなので、結局現時点では詳しくはわからないのだけれど、「蟹の横歩き」において果たした方針転換の延長線上として、遂に語らねばならぬ時が来たということなのかなあ、という気がする。「蟹」は雑多な避難民を目一杯載せたヴィルヘルム・グストロフ号がソ連の潜水艦に撃沈され、9000余命の犠牲者を出したという、史上最悪の海難事件、ただし戦後それについて語ることは一切タブーとなった悲劇を描いたノンフィクション色の濃い一冊で、ドイツではベストセラーとなった本だ。

 物語はナチスの指導者だったグストロフ、彼を射殺したユダヤ人青年、グストロフ号を撃沈した潜水艦船長と生還者という4人の姿を縦糸に、その船上で子を産み、後に筋金入りのスターリン主義者となった母、右にも左にもなれず宙ぶらりんな(仲間の大江的用語だが)子、さらに極右ネオナチへと突っ走るその息子という現代の3人の姿が横糸として絡みついて、第二次大戦=ナチ=絶対悪という思考停止によって長らく封印されてきた、被害者としてのドイツを描き出した画期的な一作だった。この本が優れていたのは、ホロコーストをソヴィエトの行為と対比することによって相対化し、いわば罪の相殺を計ろうとするような一種の詐術に対して繰り返し警告を発していたグラスらしく、ソヴィエトの戦争犯罪という単純な図式には陥っていないところにあった。

 そしていま、SSであることを告白したコンテクストを合わせて思い出してみれば、詳細なノンフィクション的歴史記述より、ネオナチの息子がインターネットでグストロフ号事件の資料を漁っている際に見つけたサイトでの論戦と、「決して終わらないのだ」という最後の一文が鮮やかに照らされる気がする(図書館で借りたので手元にないため、読み返せないっつうのもあるんだけど)。このサイトの管理者はハンドルとしてグストロフのファーストネームを名乗り、その論敵は、グストロフを射殺したユダヤ人青年の名前で現れる。仮面を被り直した登場人物たちが再び現れて、対立の構図は今なお繰り返されている。ドイツの苦難を超越的な立場から描くよりも、過去に蓋をするだけの思考停止が隠蔽してきたツケを過去と現在とにそれぞれ結びつけて抉り出した後で、グラス自らが告白する、というのは、一応通りはよい。

 無論、その先の問題に関しては、くだんの「自伝」を待たねばならないだろう。ただ、花田清輝ではないが、戦争責任そのものより、戦後いかにそれを乗り越えたかの方が遙かに重要だ。果たしてグラスはどのようにそのプロセスを書くのだろうか。
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わからない日本語
2006/08/01 22:35
 書店にガンダムThe originの第13巻を買いに行ったら、エスクァイア日本版が珍しくクラシック特集だった。この雑誌、行きつけの美容室(なんか髪切り場ネタ連続だけれど、実は歯医者と並び世界で最も居たくない場所である)でいつも手渡されるため、長年ロハで読んでいる。今回もそうすればよかったのだが、パラパラめくって買ってきてしまった。そしてこれがヒドい。。。

 セレブとやらのオモチャとしてのクラシック音楽、というバブル期に食傷するほど目にしたパターンの焼き直し。つまり喉元過ぎればなんとやらの無反省な特集だ。、、、なーんていう文句は、この雑誌の性格上、そんなこと言うならエスクァイアなんか読むな、という話で終わってしまうので目を瞑るべきだろう。それにロシアピアニズム+古楽というメインディッシュの取り合わせは、クラシック専門誌でもないのに、なかなかどうして気の利いた目の付け所。さすがだなエスクァイア。しかし、しかしである。最近のエスクァイアは、ハイクオリティをウリにする内容と捻りの入った編集方針に、肝心の文章が追いついていないと感じることが多い。今回の特集は、そういった不満の典型例だ。

 なにせわかったようなわからないような文章がゾロゾロ並んでいる。中でもロシアピアニズムの原稿は、内容もヒドいのだけれど、それ以前に日本語として成立していないおかしな文章ばかり、文字通りお話にならないお粗末なもの。筆者はカメラマンとして一級の仕事を残しつつあるようで、この稿の彼による写真は資料として十分面白いけれど、ゆめ港千尋になれるタイプではないことくらい自分で気付く自己批評眼を持ってくれんかね。悪いが、はっきりファインダーを覗いてこそ、ペンを持つべきではない人材だ。他には平野啓一郎が思い切りトンマなのには最早哀れを感じる。大いに期待していたんだけどなあ。

 ただ、この雑誌の大きなウリである写真の質と、そのインパクトを更に高めるヴィジュアルデザインだけはさすがだなあ、と唸る。たとえばアーノンクールをこれほどカッコよく提示した音楽誌が他にあるだろうか?? それが(それだけが)ウリ。こう書くと否定的みたいだけど、ヴィジュアルデザインは実際問題音楽誌のアキレス腱。こういう誌面作りはできないもんかねえ。。。

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

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主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。
2006/07/30 05:00
 先月半ばから夏風邪と扁桃腺炎の連続攻撃に半月ほど堪えつつ、パソコンから少々離れる時期があった。そうなると途端にやらなくなるのがブログ更新。そんなこんなで久々に積ん読本を整理しつつ、夜更かししてワールドカップやウィンブルドンを見ていた日々も、随分前のこと。

 さて本題。我が家のメーラは迷惑メールを自動で振り分けるフィルターがついており、大抵はうまいことそこへ放り込んでくれる。アドレスを複数使い分けていることもあり、仕事で必要なメールなぞがそこへ入ることはありえないため、基本的にいつも放っておいてまとめて削除しているのだが、久々に迷惑ボックスを整理していて目が釘付けになったのが上のタイトル。ええええええー、オオアリクイ?! ってあのオオアリクイですか!?(爆)

 参考までにメール本体の内容はこんな感じ。

・ ・・・・・・・・・
いきなりのメール失礼します。
久光さやか、29歳の未亡人です。
お互いのニーズに合致しそうだと思い、連絡してみました。

自分のことを少し語ります。
昨年の夏、わけあって主人を亡くしました。
自分は…主人のことを…死ぬまで何も理解していなかったのが
とても悔やまれます。
主人はシンガポールに頻繁に旅行に向っていたのですが、
それは遊びの為の旅行ではなかったのです。
収入を得るために、私に内緒であんな危険な出稼ぎをしていたなんて。
・ ・・・・・・・・・

 以後夫の死から立ち直ったものの躯の火照りが云々、という王道パターン。ひとしきり笑って思い出したのが、高校くらいまで行っていた床屋が全巻揃えていたため、先客が髪を切り終わるまでいつも読んでいた漫画、ゴルゴ13に出てきたアリクイに血を吸われて死ぬ話。細部はまったく忘れたが、アリしか食わないアリクイが人間の血なんざ吸うかアホ、と子供心に思ったのはよく覚えている。もしかしてこの書き手、ゴルゴ好きなんではなかろうか? ただ、アリクイはアジアでは動物園にしかおらん、というあたりおさえておかんとね。
 
 で、面白がってちょっと検索かけたら、このメールは結構話題のシロモノらしい。そらあ、このタイトル見たら誰だってビックラこくわなあ。だってオオアリクイなんですぜ、アリクイ(また笑)。ゴルゴの話もちゃんとひっかかった。それで芋蔓式に出てきて、これまた爆笑したのが、かの大山倍達のお言葉。要約すると「蟻はあらゆる動物を倒す。その蟻をアリクイは食う。よってアリクイ最強」(笑)。水は王水より溶解力が強いんですか、そうですか。しかし人民解放軍が誇った(?)人海戦術に対する恐怖に近いなあ、こういう感覚。

 それにしてもアリクイが時に人を襲う凶暴な動物だと仮定し、マレーシアの草原あたりにいたとしてもさすがにシンガポールにはおらんだろ、というあたりをも無視して東南アジアに生息と仮定しても、その猛獣を時に相手にせねばならない「危険な出稼ぎ」って一体なんだ? まさかアリクイと蟻塚を争うわけではあるまいし、ワシントン条約違反をやらかすにせよアリクイそのものはカネにならんだろうし、人里離れた芥子畑は遙かお山の彼方だし。謎は深まる。
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レオナール・フジタの生涯
2006/05/18 00:00
 先週のはじめ、GWを避けて竹橋で藤田嗣治展を見てきた。それでもすごい混雑っぷりに少々怯んだけれど、猫大好き人間にはたまらん画家の一人、おまけに展覧会なんか滅多にないのだから突撃せぬわけにはいかない。とてもよかったけれど、座るところがあまりなく、人いきれにまみれて実に疲れた。彼の最後の大仕事であるランスの礼拝堂、ノートルダム・ド・ラ・ペは、クローヴィス以来歴代フランス王の戴冠聖堂となり、シャガールのステンドグラスがあり、そしてまた藤田も洗礼を受けたランス大聖堂と合わせ、10年ほど前に訪れたことがある。03年、この礼拝堂の地下に藤田の亡骸が移されたらしい。

 ところで今回圧倒的な感銘を受けたのは、ライトの当て方がマズくてよく見えない部分もあったけれど戦争画。実物を初めて見たけれど、アッツ島玉砕など途轍もない迫力。サイパンなんか、戦意昂揚にはてんで役立たないだろうな、という凄惨極まりなき映像。戦争画家としての活躍ぶりが後に糾弾される原因となったのだけれど、個人的にはジェリコーのメデューズ号をナマで見たときと同じような感銘を受けた。

 この催しのあと、そういや彼の人生ほとんど知らないな、ということで伝記とエッセイの関連書物を片っ端から図書館で借り出し、まずはNHKのディレクターが書いた伝記「藤田嗣治・異邦人の生涯」(近藤史人著、講談社)を読んでみた。この本、生涯を手頃にたどれる本としてお手頃なのだけれど、問題もある。まだご存命の藤田未亡人君代氏(4人目の妻)の証言と、この著者とは違う筆者の手になる未刊の評伝草稿を送られた藤田が事実関係に正確を期すべく加筆して送り返した文章とが背骨であるため、専ら藤田サイドからの叙述に終始する。そういう意味では扁平的な人物造形になってしまう、伝記作者がよく犯す過ちをなぞっている箇所があるけれど、これは特殊事情を勘案せにゃならんだろうな。なんせこの君代さんという狷介な人物が抱く日本への抜きがたい怨嗟、それが巻き起こしてきた著作権問題は根深いものがあるらしく、昨年発売された光文社新書「20世紀絵画・モダニスム美術史を問い直す」(宮下誠著)刊行時にも問題を巻き起こした。その当時、まだ藤田を巡る問題には暗かったので、なんだこれ、という感もあったのだが、これを読んで、なるへそ、そういうことだったのかと得心がいった。脇道に逸れたが、この本の最大の難点は、大きな文化史的視点が欠けていること。特に戦争画に関するくだりで展開される擁護は戦中・戦後の美術評論家による弾劾に淡々と反論する形で進むのみに終始する。伝記作者ならば一番の腕の見せ所だと思うのだが、切り込みが甘く実に退屈だ。引用の技法も稚拙で、かなり気になる。

 そういう欠点はあれど、1冊目にはえがったかな、という本、ですなあ。一番面白かったのは、乳白色の肌の秘密は3層に塗られたキャンバスにあり、というくだり。その後録画しておいたNHK教育の日曜美術館で映像で確認出来たのもよかった。箱根ポーラなんかには赤外線で下絵を見せる工夫があったけれど、この展覧会でもキャンバス並べてもよかったかもねえ。学芸員や研究者の探求の一端をも知らしめる展示方法は、巡回展ではやりにくいのだろうか? それともやはりあのお人の認可が下りないのか??
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餃子とツィメ
2006/05/15 00:00
 昨日はDanchu4月号の餃子特集を読んで以来気になっていた手作り餃子を作ったが、1回目は派手に焼きに失敗してしまった。。。ウチのはテフロンではないしなあ、ということでよく熱して焼いた2度目は成功。皮はなかなか上手く出来たけれど、餡はコクが足らず、少々改良の余地アリ。やはり良質のラード、ないしは豚骨+鶏ガラスープで作るゼラチンが必須と見た。

 ところでツィメルマンの公演内容が最近発表され、そのなかにバツェヴィチがある、というのはSt.Ivesさんのところなどで知っていたので、最近エヴァ・クピエク(クピーク)のヘンスラー盤(CD93.034)を何度か聞き返していたんだけれど、捨てる前に目を通した武蔵野市民文化会館のパンフ裏面で、自分の買ったここの公演、バツェヴィチではなくショパンのバラ4と第2ソナタで組まれた別プロであることを今更知る。ぐわー。大方の聴き手はショパンの方がウェルカムなんだろうけど。

 ちなみにこのソナタには、他ならぬツィメ自身による録音がある。Web上のディスコによれば77年のライヴ録音だそうで、これはずっと捜している盤なのだ。そもそもはポーランドMuzaから出たものだから、ヤブロンスキーのaltaraあたりでの再発に期待したいところだけれど、、、相手が存命の完璧主義者じゃあ無理かな。
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食日記
2005/12/12 23:22
7(水)の夕餉
牡蠣の土手鍋+〆にうどん

8(木)の夕餉
ヒラメと真鯛昆布締めのお造り+生湯葉+白菜とじゃこのさっと煮
サンマの干物+里芋の味噌汁

9(金)の夕餉
出前寿司
通院のため帰宅が9時近く、よって夕飯は出前でテキトーに済ませる。

10(土)の夕餉
ほうれんそうと小松菜のココット
牛フィレ肉のステーキ
 昇天召されたモンクストラップ靴の後釜を探しに、昼前に銀座へ。YANKOがまあまあだったけれど、これなら松屋か伊勢丹の初売りで安くなりそうだな、と今は買わずに済ます。しかし偶然寄った馴染みのアドルフォ・ドミンゲス、店長が寄って来て言うには顧客限定セール開始日とのことで、嬉々としてセーターとシャツを買い込んでしまう。

 午後は動物病院へ。先週末去勢手術したウチのネコ、どうも傷をべろべろ舐めすぎたようで傷の治りが遅い、とのこと。そういやネコの舌ってザラザラしてるから、傷は唾つけとけ!とはいかないよねえ、と今更気付いたアホな飼い主。。。神経質なネコはたまにこういうことあるんだそうで、念のためエリザベス・カラー付けましょう、ということに。
 
 それにしても、予想通り嫌がること嫌がること。カラーから逃れようとするあまり、後ずさりダッシュ! そんなことしても外れんぞえ(苦笑) あちこちにぶつかってイライラする姿を見ていると、可哀想なのだけどもやはり笑ってしまう。とりあえず1週間か十日ほどなんで、辛抱しておくれ。

11(日)の夕餉
焼鳥屋でモツ煮込み、焼き鳥、焼きトン、湯豆腐など
カバ(スペインのスパークリングワイン)×3+〆張鶴を5〜6杯
 昼過ぎに夕飯の食材を買いに御徒町へ出て、帰ってきてちょっと昼寝しようと携帯目覚ましをセットした時になって、ようやく夕刻に約束があったことを思い出して青くなる。いやー、忘れないでよかった。。。

12(月)の夕餉
豆乳鍋
前日会食であるのを忘れていた買い込んでいたもの。まず引き上げ湯葉で一杯やり、その後鶏ガラから取ったスープ、キノコ類、白菜、自家製鶏団子を放り込んで豆乳鍋に。明日はこれに豚肉放り込むかなあ。
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食日記
2005/12/09 00:25
29(火)の夕餉
 サイのレクチャーコンサート@hakuju。それにしてもこのホール暑すぎ。帰宅後お疲れモードで食欲がなく、コンビニで買った肉まんとカレーまんで終わり。しかし食べて風呂に入ったら一気に元気回復、その後納豆と卵豆腐をアテに一杯やってから、残っている仕事にとりかかる。

30(水)の夕餉
アイナメの刺身+小松菜と百合根入りがんもの煮浸し
サンマの干物+ワカメの味噌汁

1〜2(木・金)の夕餉
しゃも鍋(大根、里芋、キノコ類、ネギ、鶏肉)
 毎日曜に時代劇チャンネルで楽しく見ている「鬼平犯科帖」でおなじみのしゃも鍋屋、五鉄。ほとんど毎回出てくる店なのだけれど、前回ゲスト出演の夏八木勲が実に旨そうにしゃも鍋をつつくシーンになぜか大いに反応してしまい、以来アタマから離れないので、鬼平料理帳(佐藤隆介・文春文庫)を参考にして作る。ちなみに玉ひでもかど家も行ったことがありません。。。

3(土)の夕餉
生湯葉+刺身こんにゃく
鍋の残り汁でうどん
4(日)の夕餉
真鯛のアラ鍋
サイ@hakuju。急用が入ってしまったが、プロ的に1時間半くらいだからアンコールで出れば大丈夫だろう、と思っていた。しかし会場へ着くとプロ変更が告知されており、前半がワルトシュタイン1曲だけ、後半が当初予告されたプロへ。こういう順序だと、他のお客さんは大喜びだろうけれどオレ的には全然嬉しくないわい、とボヤくも手遅れ。ほぼど真ん中の席で、中座するのが極めて困難なホールゆえ、無念ながら前半だけでおいとまする。

5(月)の夕餉
アラ鍋に海老と蛤投入
6(火)の夕餉
近所の焼鳥屋で焼き鳥コース+ちょうちん+銀杏+レバ刺
エマール@タケメモ。堂々今年のピアノリサイタルベスト5入り!
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食日記
2005/12/09 00:24
23(水)の夕餉
春菊とマッシュルームのサラダ・赤ピーマンのムース添え
牡蠣とホウレンソウのグラタン
マイタケとスモークサーモンのパイ包み焼き
 本来アルテミスQ@フィリアの予定だった。しかし前日酔い覚ましに夜更けの街をフラついていたのが災いしたか、体調が朝から最悪。チケットを無駄にはできない、と青葉台に向かったのだけれど、渋谷あたりで呼吸が苦しくなり、異様に気持ちが悪くなって脂汗が滴り落ちる。結局我慢できずに三茶で途中下車、しばらく様子を見ることにしたのだけれど、どうもヤバそうなので諦めて引き返すことにする。
 しかし家に帰ると気分爽快。なんだよチクショー、という大損気分を吹っ飛ばすべく、久々に面倒な食事を作る。

24(木)の夕餉
 日本酒学校にて夕食。燗酒ってほとんど呑んだことがなかったが、なるへそ、冷酒と呑み比べてみると、味の評価が見事に反転する。これから気に入らない酒は燗にしよう(笑)

25(金)の夕餉
 アルテミス@王子。本プロもスゴかったけれど、アンコールのバルトーク4番のアレグレット・ピツィカートを聴いて、こりゃ前日の学校をキャンセルしなかったのは大アホだな、と思い知る。後悔先に立たず。おまけにコンサート後に寄った銀座ラ○オン4F、味ヒドいわ値段高いわで大ハズレ(涙)。大人しく地炉の間かやまとに行っておけばよかった。しかしこれもまた経験であります。揚げ出し豆腐、ふぐ刺、酢の物など。

26(土)の夕餉
マグロとヒラメの刺身+里芋とニンジンの煮物+アスパラのお浸し
スズキ入り湯豆腐
 2日連続王子ホールで、今度は庄司紗矢香+ゴランを聴く。帰りにホール至近のニールズヤードで安眠用のラヴェンダーのアロマオイルを買い、デパートの売り尽くし半額系で刺身と総菜をさらってくるが、刺身にゃガックシ。どこが本マグロだ、どこが。どう喰ってもメバチ。

27(日)の夕餉
水タコの刺身+生湯葉+ホウレンソウと油揚げのおひたし
鰤の照り焼き+ワカメの味噌汁
 ネコの首輪とセーターを干すためのネットを買いに池袋ハンズへ出かける。ウチのは白メインの黒ブチ、いわばホルスタイン牛ネコなので、首輪は黒いベルトに赤い蝶ネクタイ、という漫画のようなものをチョイスしてみる。いらっしゃいませー、というメートル・ドテル然としてる、、、わけがないわな、ネコですから。おまけに首輪がデカいせいか蝶ネクタイが後ろに回ってしまい、金具が前に来ると、なんつーか、これは、、、HGじゃないか。フォー!(爆)
28(月)の夕餉
おひたし残り+刺身こんにゃく+里芋の炒め物卵とじ
アジの塩焼+揚げ茄子の味噌汁
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